4速AT 朝一番だけ変速ショック 3速すべり 温まれば快調

Loading

タウンボックス、ミニキャブ、パジェロミニなどの4速ATでたびたび起こる症状です。

朝の最初の1回から3回くらいの変速で 1速から2速でショックが出て 3速から
4速で滑ります。 5分くらいたつとウソのように快調になります。
この場合はAT本体は正常な場合が多いです。 よくある1速から2速へのドカンとくるショックは温度に関係なくショックが出ますが、その場合はAT本体の不具合です。
まず純正の三菱 ATF SP3を入れると改善されることがありました。
ATFの温度による粘度係数の違いから起こるのでしょう。
それでも直らない場合もあります。 特にタウンボックス、ミニキャブ系に多いです。
AT内部はパジェロミニもタウンボックスも同じ構造なのになぜ違いが出るのか
不思議です。
仮説としてECUのプログラムの違いが可能性高いです。
パジェロミニ H58Aターボ と タウンボックス U63WターボのECUは 同じ基盤を
使ってますが、 プログラミングは違います。
これから調べていきたいと思います。
まずミニキャブの4速ATがあるので変速時のプレッシャーコントロールソレノイドバルブ
への信号を見て見ます。

PCSVへの信号をまず古いアナログオシロスコープにつないで、その外部端子から

PCのオシロに入れてから測定します。 PCのオシロはフリーソフトのハンディオシロ
なのですが、直接PCSVへつなぐと綺麗な波形がでませんでした。 でもPCのオシロは
プレトリガーが付いてるので変速時の一瞬の波形が見れます。 なのでこんな面倒な
つなぎ方になってしまいました。

まずはDレンジで停止。 これは軽く2速に入ってる状態。2ndブレーキバンドの油圧を

逃がしてます。 サービスマニュアルの波形とは違いますがソレノイドバルブのコイルの
ノイズとかで違ってるのかもしれません。 マルチテスターのデューティー比を測れるモードでも全然変な測定値になってしまいます。  インジェクターやICVの波形を見る時も
インジェクターへの信号がOFFになると逆起電力と誘導電力がかかって30V~70Vくらいのピークが現れます。 インジェクターの場合だと低抵抗タイプで電流制御式だと
電流を制御している時間は電圧の波形がギザギザになります。 もしかしたら
そんな制御に近いのかもしれません。  コイル焼けを防ぐために最初のブーストの
波があってプランジャーが開くと次のホールドの波で電流を制御して最少の電流で
コイルの発熱を抑えてるのかな。 電流プローブが有ればわかるのですが、
持ってないので推測です。

Dレンジで 1速走行  ほぼPCSVは全開状態です。  

1速から2速への半クラッチ状態です。 


2速から3速への半クラッチ状態。  

2速から3速への半クラッチ状態で ATF温度が低い場合です。 温度が低いとATFの

粘度が高くなるので半クラをコントロールしてるPCVの構造上 ライン圧が低くなりがち
です。 ECUは低温時に油圧を上げるコントロールをしています。
水平の線が多いほど油圧を上げてるみたいです。
三菱の故障診断機 MUT3で ロードテストをしてみます。
この年式の車は MUT2の時代なのですがMUT3でも見れます。
MUT-3にはドライブレコーダーの機能が付いているので、1秒あたり3ポイントの
データーが取れます。 ロードテストは朝一から30分くらいの長さで記録します。
ATF温度が気温くらいから90度くらいまで見れます。

ATを選択します。

NO45 はプレッシャーソレノイドバルブのDUTY率です。 ドライブレンジで
止まってるときは73%です。

NO22 はインプットの回転数です。 2速と4速は止まっています。

すべてのデータを一度に見ることはできません。 最大で4項目です。
MUT3 Actuator activation test です。 これは プレッシャーコントロールバルブを
50%dutyで強制駆動するテストです。

その時の2ndブレーキのアプライ側の油圧を測ります。 中央のゲージです。
これはAFT温度で変わってきます。 

MUT3で取ったドライブレコーダーのデーターを取り出してエクセルで見ます。
MUT3から見ると遅いのでエクセルで見ると全項目が見れてスクロールも早いです。
Cの列はシフトポジション Nの列がPCSVのdury率です。 Gの列はATF油温
Kの列はK/Dサーボスイッチのon/offです。 Aが時間で1秒間に3個くらいデーターを
取っています。 

これが朝一番の2速から3速へ変速する時のデータです。

----------------------------------------------------------------------—-
次の症例は O/Hしてテスト走行しようとしたら
シフトレバーをバックに入れたり、Dレンジに入れた時に大きなショックが出る車です。
タウンボックス U61Wターボ車 シフトアップも全シフトでショック出ます。
普通ならDレンジ エンジンストップでイグニッションキーをONの位置で
プレッシャーコントロールソレノイドバルブ(PCSV)のカリカリ音がしますが
この車は最初は音がしますが、しばらくすると音が止まります。
ダイアグにはエラー出てません。 Ω測定も正常でした。
単体で通電して動作も確認しましたが充分で無かったみたいです。
まずはPCSVにECUから正常に信号が出ているか見て見ます。

今回はOWONのUSBオシロスコープで見てみました。 30HZで信号は出ています。

でもPCSVのカリカリ音はしていません。

AT本体にサウンドスコープを当てて音を聞いてみるとかすかに音がしてます。

どうやらPCSVの作動不良みたいです。  これが壊れると すべてのシフトで
ショックが出ます。 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください