丸棒のような物をボール盤にセットする時、バイスだと固定が難しいのでバイスにチャックを取り付けます。今までだと丸棒の2面を平行に削ってからバイスで固定してましたが、四爪チャックなら削らなくても固定できます。そしてチャックを回転できるようにすれば便利です。 サーキュラーテーブル、ロータリーテーブルは高価なのでなかなか買えません。
まずは四爪チャックを回転できてバイスに固定する方法を考えます。チャックの裏側に位置決め用の円形の段差があります。 これに円盤状の板をはめてガタがなく回転できるようにします。 中央の穴にもスペーサーを入れてガタを無くします。


試作品です。 これがチャックの裏側に嵌ります。

円盤の厚みがエンドプレーを決めるので少しずつ薄くしてちょうど良い厚みを出します。

アルミの板で回転軸が抜けないようにします。 しかしこれだとボルトの頭が邪魔をするのでスペーサーで回転軸を伸ばして逃がさないといけません。 首が伸びた分、安定力が弱くなります。

アルミの10mm板で固定することにしました。

ボルトの頭を出さないように沈み穴を掘ります。 ボール盤で掘るには専用のドリル刃が要りますが、持っていないので15mmのドリルで少し穴を掘り10mmのエンドミルで広げていきました。

普通はキャップボルトを使うのですが、手持ちがなかったのでとりあえずマイナス溝を切ったM8ボルトで留めます。 後ほど残りの2本の沈み穴を掘りキャップボルトを入れます。

ボール盤に取り付けてみました。 回転は思ったよりもガタがないです。

回転させない時の固定用にL型ステーとアルミ板をボルトで固定できるようにします。回転用のハンドルも要ります。

アルミ板を直接バイスでつかむと回転しませんが固定が強力です。 ボール盤にエンドミルを使って丸棒をロ型に削ります。 すべてアップカットです。ダウンでやるとビビります。 奥側と手前側は順調に削れますが横側はボール盤の構造上振動が出ます。

四爪チャックを早回しするためのレンチです。

Tレンチよりも素早く調整できます。

今回はこのへんで完了としますが、 また暇なときにでもバイスを使わずに直接スライドテーブルに付けるようにしたいと思います。

チャックとの固定は最終的に6角穴付き皿ネジにしました。

回転させないで固定で使う時用にボルトで留めるようにしました。

EKワゴンのATケースを捨てようと思いましたがベアリングをローターリーテーブルに使えないかと思いベアリング受けを切り取ります。

ドリルで大体の形で穴を開けてプラズマカッターで切り抜きました。5mm位の厚みだと簡単に切れますが10mmくらいの部分は手こずりました。

ミニ旋盤で整えました。

EKワゴンのデフを土台にします。

切り取ったベアリングカバーを付けてスムーズに回ることを確認します。センター出しのスペーサーを真ん中の穴に入れます。

チャックと土台はボルトとナットで留めるので、ナットが自由に回るようにスラストベアリングを挟んで留めます。 このベアリングもATの部品です。

ガタもなくスムーズに回ります。

部品を掴むバイスが回転するのにこだわったのは、こんな部品を作りたかったからです。円の部分は旋盤で削れますが、カム状になってる部分は旋盤では無理です。

ボール盤に5mmのエンドミルを付けて、まずは平行に2面を削ります。

芯を出します。

半周だけ削ります。 回すのは手で回しても問題なかったです。アップカットのみで少しずつゆっくり回しました。

ボール盤で削るので少々無理がありますが、 あまり精度を求めないのならなんとかなります。
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中国製のミニ旋盤の回転が安定しません。 可変抵抗(ポテンショメータ)が劣化しています。

外して抵抗値を測るとかなり異常な値が出ます。 普通の可変抵抗5KΩと交換しようと思います。しかしこれはスイッチが付いてて左一杯回してONになります。 たぶん安全装置なのでしょう。回転つまみを左に一杯下げてないと電源がONにならないようになってるみたいです。左回しでOFFの可変抵抗は有りますが、ONになるのは探しても見当たりませんでした。ミニ旋盤を扱ってるサイトでは4000円くらいするので、普通の可変抵抗と比べると十倍くらいするのはとても買えません。とりあえず分解して中のカーボンとブラシを掃除したら抵抗値が直ったのでしばらくはこれで使えそうです。
